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夫を亡くした喪失感を描く名エッセイ

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家族の死・・・誰もが遭遇する通過儀礼。

だが、配偶者の死とその後の喪失感には独特のものがある。

祖母、父、母と順番に見送った私はそのどれもが悲しいものだったが、夫の死はそれらとはまったく違うものだった。

特に私の場合は仕事も一緒で、いつも傍にいた人がいなくなることには喪失感というより違和感を覚える毎日だった。

「俺が死んでも泣くなよ」という夫の遺言を守り、特に人前では一度も涙を見せていない。堪えているというのではなく、なぜか涙が出てこないのだ。

言葉を換えれば、それだけ深い悲しみということにもなる。

作家の小池真理子さんは今年の1月、夫で同じ作家の藤田宜永さんを肺がんで亡くした。

2月頃だったか。朝日新聞に彼女が書いた短い追悼文が掲載された。名文だった。それを読んだ私は近い将来、自分も同じような心境になるのかと何回か読み返した。

その名文はこの本の冒頭に出てくる。

「月夜の森の梟」はその後、小池さんが藤田さんを偲ぶ短文を朝日新聞に連載。それをまとめたものである。

連載は読み損ねたのでこの本を買った。

同じ年に夫を亡くしたものとして大きな共感を覚えた。

世の中に配偶者を亡くした人はごまんといるが、それぞれの詳細は皆違う。だが、何らかの形で抱く喪失感の根底には同じものがある。

夫の残したものや過去の思い出の断片から綴られる52編の短いエッセイ。

悲しみと喪失感に覆われているのに、どこかキラキラと輝いた人生が見える。

それは夫婦のこれまでの軌跡と片割れを亡くした後の生き方にかかっていると思わせる。

Commented by kitaoni22 at 2021-12-22 23:16
「月夜の森の梟」朝日新聞の連載をいつもしみじみと感慨深く読んでました。
朝ブログにお邪魔していたのですが「俺が死んでも泣くなよ」御主人さまの遺言のくだりで胸が熱くなり...... こんな時間になってからコメントしてしまいました。
いろいろ沢山のことを書いたのですが何を書いても言葉が浮いてしまいそうで消しました。言葉足らずで失礼があったらごめんなさい。失語症の私です。
Commented by koharu50 at 2021-12-24 09:45
> みどりさん
コメントありがとうございます。朝日新聞の連載を読んでいらしたんですね。私は読み損ねて本を買いました。とてもいいエッセイだと思いました。
誰もが体験する愛する人の死と喪失感。これもまた乗り越えていくべき通過儀礼のようです。
お元気そうで何よりです。どうぞよいお年をお迎えください。
by koharu50 | 2021-12-22 08:00 | | Comments(2)

自分の好きなファッションでいつもニコニコしていたい。おしゃれの法則?それも大切にするけれど、冒険も大好き。諦めちゃダメ、おしゃれはいくつになっても私を前向きにしてくれる。


by 小春