
「パン屋ではおにぎりを売れ」
以前から書店でこの本を見かけると気になっていた。表紙のおにぎりの絵もなんだか個性的で気をそそる。
著者の柿内尚文さんは編集者。これまでに企画した本が1,000万部以上売れたという辣腕編集者だ。
最近は本のベストセラーというとだいたい3万部くらいからというから、総計1,000万部以上も本を売るのは大変なことだと思う。
それなのに柿内さんは「僕自身、地頭がいいわけではなく、自分の平凡さに辟易しながら生きてきました。考えることは普通だし、深みもありません」(本文より)とおっしゃる。
「じゃあ、私と同じじゃん」と近親感を持つも、「ではどうしてそんなことができたのですか?」と興味が湧く。
その秘訣は「考える時間」を持つからなのだという。
でも、「考える」作業はそんなに簡単ではない。いきなり「考えて」と言われてもなかなかね。
と、躊躇する私をこの本はぐんぐんと引っ張ってくれる。
たとえば目標を決める。その目標をどう実現するか。
もちろん、行動あるのみだが、その前に考える。途中出る立ち止まって考える。
その考え方の方程式を柿内さんは教えてくれる。
ほんの一例。頭で考えるのは難しいのでノートを作る。目的を達成する要素、問題点などをどんどん書き込んでいく。
すると、物事が俯瞰して見えて、方法や解決策が分かってくる。
よし、私もノートを作るぞ!
ここに書いたのはほんのさわりなので、興味ある方はぜひ本書を。私が最近読んだ本の中ではかなり面白かった。

裏表紙にこんなクイズがある。
「おにぎりの中身を当てて下さい。においを嗅ぐ、手で割るのはNGです。10秒で答えて下さい」
私は全く答えられなかった。回答を見たら「なーんだ」と思った。それだけ頭が硬直化している。
今日から少しずつでも「考える時間」を作ろう。