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ある女性作家の生涯

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NETFLIXで寝る前に映画を見ている。

イギリスのロイヤルファミリーを描いた「ザ・クラウン」、チェスの天才少女の話「クィーンズ キャンビット」、フランスの芸能プロダクションが舞台の「エージェント物語」、どれも面白く視聴した。

ある日、プログラムの中に上の写真を見つけた時、なんとなく惹かれた。

ジョーン・ディディオン
「ザ センター ウィル ノット ホールド」

ジョーン・ディディオンについては不勉強で全く知らなかったし、だいいち、タイトルはどういう意味なの?

途中挫折かと思いながらも視聴してみるととても面白かった。

映画はジョーンの甥のグリフィン・ダンが監督したドキュメンタリー。ジョーンの若き時から86才の現在までの人生を追った作品だ。

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ジョーン・ディディオンはアメリカの有名作家・エッセイスト。1960年代からヒッピーなどアメリカのカウンターカルチャーを描いた小説やエッセイを執筆し、ニュージャーナリズムの作家と言われた。

小さい頃からものを書くのが好きで、カリフォルニア大学バークレー校在学中にヴォーグ誌が募集したエッセイコンテストに優勝。2年間はニューヨークでヴォーグの記者として働いた。

その後、タイム誌のライターだったジョン・グレゴリー・ダンと結婚。作家夫婦としてカリフォルニアで暮らし始める。

その海辺の家が素敵すぎる。そこに有名人を含む多数の人が出入りした。

後に映画制作にも手を広げ、夫婦でアル・パチーノ主演の『哀しみの街角』や『スター誕生』などを成功させる。

交友関係も広く、このドキュメンタリーにもヴォーグ編集長のアナ・ウインターや女優のナタリー・ウッド、俳優のハリソン・フォードなどが出演している。

カリフォルニアにあった夫妻の家は新人時代のハリソン・フォードが大工兼居候として住み着いていたこともあるというのには驚いた。

知的な面差しに意思の強さを感じさせるジョーンの写真に私はまず惹きつけられたが、同じように彼女に惹きつけられた有名人も多く、日本ではあまり知られていないが時代の寵児的存在だったのだろう。

1960年代からのニューヨークやカリフォルニアの風景や風俗も興味深いし(よくビデオに撮ってあったと思う)、ジョーンの話も面白い。

養女にしたクォンティーナという娘と夫のジョンをほぼ同時期に失うが、その後の悲しみと、悲しみから脱却していく姿勢に共感を持った。

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初めて彼女の本を読んでみることにした。

原題は『The Year of Magical Thinking』。邦訳は『悲しみにある者』。

夫と娘を亡くした後の2005年に書かれた作品で全米図書賞を受賞。ベストセラーになったとか。表紙の3人の写真にもどこかドラマを感じる。(写真はカリフォルニアの家のベランダにて)

一作の映画からまた世界が広がっていく。深夜までNetflix にかじりつくのもどんなものなのかと思いつつ、こんな収穫もあるのでやめられない。

ところで、冒頭の映画のタイトルだが、『The center will not hold』。いろいろと意味を調べてみたのだが、本当のところはよくわからなかった。

ジョーンがある詩人の詩から引用していて、意味としては「今ここにあるものが、バラバラに飛んでいく」みたいなことらしい。

今ここにあるもの=家族の死であったり、仕事であったり、自分の居場所であったりと解釈するとして。それらが失われても人は強く生きていくという生き様をジョーンが示しているドキュメンタリーと見た。

Commented by Bopeep17 at 2021-02-04 10:00
小春様

この方、夫が彼女の事を常々”A good writer”と好きな様で、私は読んだことないのですが、映画の脚本家としてもファンです。

彼女が言っている詩人はノーベル賞受賞者、アングロアイリッシュYeatsの詩、The Second Comingの有名な一節だと思います。

第一次世界大戦後、政治的にも混沌した情勢に身を置く中で、破壊的な力に押されて落ちていく状況下の詩という認識で、(他含みはある様ですが、更に長くなるので割愛)

英国のEU離脱が確定した際、ラジオでコメンテイターがThings are falling part. The center can’t holdと引用。状況が驚く展開で悪化していく様を表現する際に使用されると思っています。英語を日本語に訳してしまうと、微妙に違和感のある表現もあって(それは日本語から英語も同様に)特に詩は、音色やリズム感、文化的背景が混ざって、素直に気持ちの琴線に触れる事が大切で、外国人エイリアン⁉︎の自分には生涯課題です。
Commented by koharu50 at 2021-02-04 14:42
> Bopeep17さん
お久しぶりです。コメントありがとうございます。
タイトルの意味を知りたくていろいろ調べたところ、もちろん日本語では無理で、英語の解説をいくつかはす読みしました。
イェーツという詩人の詩からの引用ということは分かりましたが、イェーツを調べるとまた大変なので放っておいたところ、情報をいただき助かりました。
英国のEU離脱の際にも引用されたとはさらに意味もわかりやすいですね。教えていただきありがとうございます。

ご主人が彼女のことをgood writerと言われていたということをうかがい、彼女の本を読む気が増します。
映画の中でも彼女が自分の作品の一部を朗読していて、なかなか良かったので読む気になりました。
が、購入した本は少し読んだだけですが、邦訳がいまいちのようです。やはり英語で読むのが良いのかもしれません。どちらにせよ彼女の作品、親しんでいきたいです。
by koharu50 | 2021-02-04 08:00 | 映画 | Comments(2)

自分の好きなファッションでいつもニコニコしていたい。おしゃれの法則?それも大切にするけれど、冒険も大好き。諦めちゃダメ、おしゃれはいくつになっても私を前向きにしてくれる。


by 小春