一生もののブーツとの出会い

自分へのクリスマスプレゼントをエルメスのショートブーツに狙いを定めてからも、正直なところあれこれ迷っていた。

まず第一に値段。

昨日のブログに書いた3点の別の候補のどれよりも高い。

その値段を払って買う価値があるのかどうか。

だいたい、若い人と違って、私の人生など先が見えている。あと10年、もし運が良ければ15年履ければいいほうだろう。

長く履ければ高価なものでもコスパはいいが、少ししか履けなければ恐ろしく高いものにつく。

そう考えた上で、その金額を捻り出せるものかどうかを慎重に考えた（つもり）。

ただ、まんいちこのブーツを数年しか履けなかったとしても、品質が良く、さらに履き心地が良ければいいのではないか。

革製品の老舗、エルメスのブーツがどんなものかを体感できるならば価値はあるという考え方もある。

本当はこんな時期ではなくて、気軽に海外に出られるなら現地で免税で買ってくるのが一番だ。

でも、それはいつになるの⁇

まあ、仕方ないじゃない。私は買うことを決意した。

高価なものを買うのだから試着は必至だろうと思い、まずは玉川高島屋のエルメスに行ってみるつもりだった。

ただ問題はサイズだ。

日本のエルメスのサイトでチェックするとハーフサイズがない。

私の靴のサイズは38.5。38では小さく、39では大きい。

昨年はGUCCI のロングブーツを購入。その時にハーフサイズがなく、少し大きめの39にした。履き慣れるに従って、やはり多少の違和感を感じている。

店舗に電話して果たして38.5があるかどうかを聞くべく、電話番号をメモした。

そして、電話をしようとした矢先に、元来がケチな性格のため、もっと安く手に入らないのかとサイトをチェック。

BUYMAで日本の店舗で買うより約4万円ほど安いものをみつけた。ヨーロッパ在住のバイヤーが現地で買い付けるというもの。

彼女とやりとりをしてみると、安心できる相手だったし、何よりも38.5の在庫があると言う。

彼女にはこれまでの靴遍歴を話し、GUCCIのロングブーツは39ではやや大きいこと。ロジェヴィヴィエのパンプスは38.5でジャストサイズなこと。38.5でも革が硬いと右足の外反母趾に当たって痛いことなどを理解してもらった。

すると彼女はエルメスのネオは革が柔らかいし、38.5ならオーケーだろうと言った。

注文を出してから待つこと約2週間。ヨーロッパから届いたエルメスのネオは外観が想像以上に小さく見えた。不安な気持ちで試着してみると、やっと足が入るジャストサイズ。

しかし、歩いてみると革が柔らかいので外反母趾の部分も痛くはなく、履き慣れればなんとかなると思われた。

（右足にはシューキーパーをいれています。形が整っているのが分かる）

すでに数回履いてみたが、歩くと足に吸い付くようで、第2の皮膚といった履き心地。

ぴったりなのに痛いところはどこもなく、靴擦れも出来ない。

こんな靴を履いたことはこれまでになく、授業料は高かったが、後悔は全くなし。

一生大切に履きたい一足。

※追記

値段については、BUYMAでの提示価格は日本のエルメスの店舗より4万円ほど安かったと書いた。しかし実際にはBUYMAの手数料が1万円超。関税が2万6千円ほどかかり、店舗の価格とほぼ同額になった。ハーフサイズがないのではという危惧からオンラインで購入したが、店舗で試着して買ったほうがより安全。私のケースは運が良かった。

自分に合う靴に出会うのはやはり「運」以外の何者でもない。