人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「向田邦子の本棚」

「向田邦子の本棚」_f0378589_20364991.jpg
「向田邦子の本棚」(河出書房新社刊)

書店で見かけて即買い。

向田邦子さんは私が駆け出しの編集者だった頃憧れの作家だった。

切れのいい文章。

あんな文章を書きたいとお手本にした一人である(全く違う作風だが松本清張先生もその一人)。早逝されたこともあって、今でも伝説のように語られる彼女の本が出ると必ず買う。

別の本の記事はこちら



向田さんには1600冊もの蔵書があり、今でもそれが実践女子大学内にある向田邦子文庫展示室や鹿児島の近代文学館に遺されている。

本書はそんな蔵書の中から、「脚本、エッセイ、小説の糧となった蔵書」「食いしん坊蔵書」「好きなもの蔵書」(猫や旅)に分けて紹介している。
「向田邦子の本棚」_f0378589_23354613.jpg
最初の向田作品の糧となった蔵書には三島由紀夫や田辺聖子、三浦哲郎など同時代の作家から源氏物語などの古典や夏目漱石、太宰治など先輩文学者の全集、社会派のノンフィクションなどがあり、さすがに読書家だったことを思わせる。



もっとも関心を持ったのは二番目の「食いしん坊蔵書」。そこには渋谷の西武百貨店B館地下にあった書店の催し物のために向田さんが選んだ「向田邦子が選んだ食いしん坊に贈る100冊」が再現されている。

多少古いものが多いが、その内容の多彩なこと。知らない本も多々あり、またまた読書の世界へ引き込まれること必至。暮れの忙しいどきに困るんだわあ。

例えばヘミングウェイが若き日のパリ滞在を描いた「移動祝祭日」とか吉田茂の息子で小さい時から世界の美味しいものを食べ歩いて美食家になった吉田健一の「響宴」、アガサクリスティがエドワード王朝時代の佇まいを残し、美味しいアフタヌーンティを供するホテルを舞台に描いたミステリー「バートラムホテルにて」なんかはすごく読みたい。とても楽しみ。


私も本好きではあるが、蔵書というほどのものはなく、お恥ずかしい限りだ。(おしゃれとゴルフ関係の本はたくさんありますが)

何かもう少し系統立てて本を読みたいと思わせられた一冊だった。




Commented by bondgirl333 at 2019-12-07 15:39
こんにちは^_^
私が若い時にお亡くなりになられた向田さん😱
中年女性ねと、自分が若い時は思いましたが、今、亡くなられた時分の向田さんを拝見すると、私より若い。
しかも素敵な魅力的な大人だわ。
勿体無いな。
あうん、阿修羅の如くなど、テレビや映画を観て夢中になりました。
向田さんの本も沢山読みました。
向田さんが寒い季節、気に入った手袋がないからはめてない。
向田さんの上司が適当な手袋を見つけて寒さを凌ぎなさいとアドバイス。 結婚と結びつけてエッセイか何かに載せてました。
今なら、手ぶくろさんの店でオーダー可能ですね←そういうオチでもないですが、素敵な方でした。
Commented by koharu50 at 2019-12-07 18:49
アッコさん
コメントありがとうございます。
そう、向田さんはなかなかお綺麗な方でしたよ。この本の表紙を見て再認識しました。
いま生きておられると90歳ですか!
脂の乗り切った晩年が印象的なのでとても信じられません。
大好きな作家です。
by koharu50 | 2019-12-07 08:00 | | Comments(2)

自分の好きなファッションでいつもニコニコしていたい。おしゃれの法則?それも大切にするけれど、冒険も大好き。諦めちゃダメ、おしゃれはいくつになっても私を前向きにしてくれる。


by 小春