2015年5月30日初版
前から気になっていた本で、一度目を通したいと思っていた。
本書は1981年8月に51歳で亡くなった作家の向田邦子さんのおしゃれに触れた本。
妹さんの和子さんとかごしま近代文学館編となっているのは、向田さんが幼少の頃2年間を過ごした鹿児島を「故郷もどき」と呼んで愛し、一部の遺品がかごしま近代文学館に常時展示されているからとか。
ここで所有していた洋服やアクセサリーを展示した「向田邦子の装い」という展示会も開催された。
向田さんが脚本家から作家に転身し、直木賞を受賞。台湾旅行の途中、飛行機事故で亡くなったのは、私が31歳の時だった。
当時、向田さんのファンでほとんどの作品を読みあさっていた私にはとてもショックな出来事だった。
私は25歳から出版界での仕事を始めたが、この頃はまだ、アシスタント程度、同じ出版の仕事でもいったい何を専門にしていいかわからない、それこそプータローだった。
自分が書くことが好きで将来的には物書きになろうと漠然と考えていたが、決定的に書く力をつけたいと思ったのは向田さんの作品を読んでからだ。
詳しく一つ一つの作品のタイトルを覚えているわけではないけれど、向田さんの作品はどれにもキレがあり、オチがあった。
短編が多く、それだけにまとめ方は難しい。いつか彼女のような作品を書きたいと思ってきたし、今でも思っている。
「私は子供の頃から、ぜいたくで虚栄心の強い子供でした。いいもの好きで、ないものねだりのところもありました。
ほどほどで満足するということがなく、もっと探せば、もっといいものが手に入るのではないか、とキョロキョロしているところがありました」（「手袋を探す」『夜中の薔薇』）
若い頃の向田さんはほとんどの服をあつらえておられたとか。
いいものを探し、例えば傘でも、気に入ったものが見つかるまで一生かけて探すとおっしゃっていたようです。
また、自分に似合わないものは絶対に着ない。
「みながGパンをはこうと、ひげをのばそうと、つけまつ毛をつけようと、自分に似合わないものは絶対に拒否するーーそしてだんだん見ているうちに美しいなと感じさせるひとを、私はいま探しているのです」（「忘れえぬ顔」『女の人差し指』）
現在でもおしゃれと言われる方々やその方面のプロは同じような原則を言っておられますね。
向田さんが大変おしゃれな方だったという視点から作品をもう一度読んでみようと思いました。
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at 2018-02-24 11:43
今晩は。
夏のバハマから覗きに来ました。
先日のおかっぱ頭の写真に、思わず、うんうんと。
コメントしようとしたらyokkoからのがいち早く入っていて、被ってしまうので引っ込みました(笑)
向田邦子がお洒落さんだとは知りませんでしたね。それもかなりの拘りでいらしたんですね。
機会が合ったら読んでみたいわ。・・
お洒落談義にはピピッと反応してしまいます。
夏のバハマから覗きに来ました。
先日のおかっぱ頭の写真に、思わず、うんうんと。
コメントしようとしたらyokkoからのがいち早く入っていて、被ってしまうので引っ込みました(笑)
向田邦子がお洒落さんだとは知りませんでしたね。それもかなりの拘りでいらしたんですね。
機会が合ったら読んでみたいわ。・・
お洒落談義にはピピッと反応してしまいます。
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この本、もちろん読みました！
気に入った手袋が見つからなくて、一冬中、手袋をしない話ですよね。
私ね、実は、向田さんと小春さんにどこか通じる部分を感じていました。読みやすい文章、ピリッとしたエスプリもあって、お洒落に関心があって。
もう一度、本を読み返してみたいです。
気に入った手袋が見つからなくて、一冬中、手袋をしない話ですよね。
私ね、実は、向田さんと小春さんにどこか通じる部分を感じていました。読みやすい文章、ピリッとしたエスプリもあって、お洒落に関心があって。
もう一度、本を読み返してみたいです。
こんばんは^_^
向田さんの手袋の話。自分も今年の冬はかなり寒いのに購入しなかった。小春さんがオーダーした素敵な手袋みたいにフィットした愛用品を見つけたいです。向田さんの小説なら何がお好きですか？
向田さんの手袋の話。自分も今年の冬はかなり寒いのに購入しなかった。小春さんがオーダーした素敵な手袋みたいにフィットした愛用品を見つけたいです。向田さんの小説なら何がお好きですか？
> mamako48722さん
バハマは暖かそうですね。いいなあ。
私も向田邦子＝おしゃれとは思っていなかったので意外でした。
ただ、若い時はいいのですが、晩年のおしゃれはちょっとババくさいかなあ？まあ、時代が違うこともありますが。
バハマは暖かそうですね。いいなあ。
私も向田邦子＝おしゃれとは思っていなかったので意外でした。
ただ、若い時はいいのですが、晩年のおしゃれはちょっとババくさいかなあ？まあ、時代が違うこともありますが。
> bondgirl333さん
こんばんは。来年はフィットする手袋が見つかるといいですね。
向田さんの作品で好きなのは「思い出トランプ」とか「隣の女」といった短編集です。
タイトルと内容が一致しない物もあるのでこれを機に再読するつもりです。
こんばんは。来年はフィットする手袋が見つかるといいですね。
向田さんの作品で好きなのは「思い出トランプ」とか「隣の女」といった短編集です。
タイトルと内容が一致しない物もあるのでこれを機に再読するつもりです。
