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60年代の六本木を思い出す本

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写真は『キャンティ30年史』より)

私の通った中学と高校は六本木にあった。

六本木の交差点が上の写真のようだった頃から、1969年までの6年間、私は毎日、六本木に通っていた。

通学路にはゴトウ花店(ゴトウフローリスト)、イタリア料理のシシリア、ハンバーガーインなどがあり、ロアビルはまだなかった。

学校に曲がる角をさらに東京タワーのほうに歩いて行くと、右側にかの有名なイタリア料理の「キャンティ」があり、その先にロシア大使館があった。
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『キャンティ30年史』より)

学生だったので、六本木で遊ぶこともなく、ただ通学路を黙々と歩いているだけだったが、その時代にその界隈で遊んでいた「六本木族」と言われる人たちがいた。

なぜ、こんなことを書いているかというと、この本を読んだから。
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「純情ババアになりました」(加賀まりこ著 講談社文庫)

ちょうど私が外苑東通りを通学路として毎日歩いていた頃、加賀まりこはすでに銀幕のスターとしてデビューしていて、その前後には「六本木族」としてその界隈で遊んでいた。

遊んでいたといってもその人脈は多彩で、バイオリニストの前橋汀子、作詞家の安井かずみ、石原慎太郎、川端康成、吉行淳之介、篠田正浩、寺山修司、立木義浩、立川談志・・・とあらゆる世界の一流人との交流がある。

この本は加賀まりこの自伝というより、こうした人々との交流を綴ったもの。

あまり期待しないで読んだけれど、その背景から60年代、70年代の懐かしき日々を思い起こさせる。

いわば、現在アラカンの人々の青春時代。パソコンも携帯もなかったけれど、時代が成長していく勢いがあった頃だ。

若き日の加賀まりこは本当に綺麗だった。美人というより「小悪魔」という雰囲気で、日本のブリジット・バルドーなんて言われていた。
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彼女が19歳の時に撮影した「乾いた花」。

これも得意のアマゾンプライムで鑑賞したが、賭場に出入りする幻の少女を演じた加賀まりこは生き生きとしてとても素敵だった。

話は本に戻るが、「純情ババァになりました。」というタイトルはちょっとひどくないですか。

初出は2000年から2004年にかけて雑誌「FRaU」に連載された「私の20世紀」というエッセイだったらしい。それが「とんがって本気」というタイトルで単行本になり、文庫化されるにあたって今のタイトルになったとか。前のタイトルの方が良かったじゃん。

このタイトルではこの本の良さはわからないだろう。若い人など「なんだ、ババァの本か」とスルーすること必至。

決してババァの本ではないので、加賀まりことここに登場する人物、また背景となる時代に興味のある方はぜひ。

Commented by wendy0209 at 2018-02-17 09:15
仰る通りです
koharuさまは 読書家でいらっしゃるから
そう思われるのでしょうね…
思わず手に取ってしまうような インパクトのある
タイトルでないと売れないらしいです
1度見たら 忘れない‥いや忘れられないタイトルですものね
そう云う意図なら大成功?なのかしら??
お茶目なババァになりたいおばさんヨリ
Commented by tomo-1207 at 2018-02-17 10:23
私もこれ読みました。
「安井かずみがいた時代」から加藤和彦著「優雅の条件」に行き、純情ババァにたどり着きました(*^^*)。この時代って、個性的な人が個性的な事をしていて、読んでて楽しかったですが、確かに純情ババァって酷いタイトルですよね。

koharuさんよりちょっと後の時代の六本木には、たびたび行ってましたが、ゴトウ花店、シシリア、ハンバーガーイン、懐かしいです。キャンティには、行く度に芸能人に会ってました。キャンティは、特別な場所なんですね。
Commented by koharu50 at 2018-02-17 20:51
> wendy0209さん
書籍のタイトルは確かに手に取りたくなるようなあざといものや強い印象をあたえるのがいいことは事実です。
しかし、「純情ババァ」という言葉はどうでしょうね?加賀まりこの写真がついているので手に取る人は入ると思いますが、私にはセンスないタイトルに思えます。
「お茶目なババァのほうがいいですよね。
Commented by koharu50 at 2018-02-17 20:58
> tomo-1207さん
お読みになっていたとはびっくりです。

キャンティは川添浩史、梶子という夫妻が始めたイタリア料理店です。二人がサンローランとかロバートキャパと言った国際的セレブや日本の芸能界にもたくさんの人脈を持っており、加賀まりこもよくここへ来ていたわけです。ユーミンもここの常連で梶子から大きな影響をうけたようですよ。
「キャンティ物語」という文庫がありますから、そちらを読むとキャンティの歴史や人脈が書かれていて面白いと思います。
by koharu50 | 2018-02-17 08:00 | | Comments(4)

自分の好きなファッションでいつもニコニコしていたい。おしゃれの法則?それも大切にするけれど、冒険も大好き。諦めちゃダメ、おしゃれはいくつになっても私を前向きにしてくれる。


by 小春