(12月28日夕方撮影)
心
に染みる風景がある。
自宅マンションのエレベーターホールから毎日見ている景色。
駒沢オリンピック公園が眼下に広がり、春は桜、秋は紅葉。都会の景色だが、季節感を感じ、好きな景色である。
(雪が降った日) 今年の夏頃から、この好きな景色に特別の想いを重ねるようになった。
右手に見える病院。7月に亡くなった母が最初に入院し、3ヶ月弱を過ごした場所だ。
母が入院している間は、朝、この景色を見ると「もう、起きたかな。ご飯は食べたかな」と思った。
(夜景)
夜、赤々とライトが灯る病棟を見て「今頃は何をしているのかな」と想いを巡らせた。
亡くなった後も、この景色に病院が見えるたびに苦しかったあの頃を思い出す。
初めはちょっとした異変に過ぎなかったのに、母の体内には大きな病が宿り、命を脅かしつつあった。
もう治らないと余命を告げられたのもあの病院だった。
この家に住んでいる限りは朝晩、あの病院の建物を見るたびに苦しかった母の闘病生活を思い出すと思う。
母と私は性格は正反対、母はどちらかというと外に出るより、家にいることを好んだ。若い頃には反発も感じたが、大変優しい人だった。
娘の全てを認容して協力を惜しまなかった彼女には感謝してもしきれない。
独身時代が長かった私だが、どんなに疲れて帰ってきても母の笑顔と手料理が暖かく私を迎えてくれた。
その感謝を忘れないために、朝晩出かけるたびに私はこの景色を見る。
(紅葉の時)
12年前に父が亡くなり、老朽化した家と土地を売ってバリアフリーのマンションに越した。
同じマンションの違う階に住むことになった時、私は母の余生を最高に幸せなものにしてあげたいと思った。
時間を見つけて一緒にいろいろなところに出掛けた。桜の季節や紅葉の頃、二人で並んでこの景色を眺めたこともある。
戸建からマンションに移り、庭がなくなったことを嘆いていた母もこの景色が好きだった。
今朝もこの景色を眺めたら、母との思い出が胸一杯に広がった。
いつもと変わらない朝だけれど。
★2017年7月18日に亡くなった母への追悼をこめて、これまで書いた母の死関連の記事を下記にリンクしておきます。私事で恐縮ですが、この記事の参考までに興味ある方にお読みいただければ幸いです。
お母様がご存命の方はどうぞ大切にしてあげて下さい。
今日もブログをお読みいただきありがとうございました。
(景色の写真は撮影角度によって少しずつ違っています)
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