
20代の頃、来日していたフランス人姉妹にフランス語を習ったことがありました。
お姉さんがオディール、妹さんがマドレーヌ。2人は趣味の柔道が嵩じて、日本に来た姉妹。早稲田の小さなアパートに2人で暮していました。
彼女達と付き合っている頃、よく耳にしたのが「こんなにいいものをどこどこで安く買えたのよ」という自慢話。
高いけれどいいものを買ったと自慢する日本人とは対照的でとても印象に残りました。
前置きが長くなりましたが、吉村葉子さんが書いた「徹底してお金を使わないフランス人から学んだ本当の贅沢」を読んで前述した姉妹のことを思い出しました。
吉村さんによれば、フランス人はお財布からお金を出すのが嫌い。子供のおやつやプレゼントなどは手作りする人が多いとか。
それでも家族で過ごすバカンスなどには惜しみなくお金を使うそうです。
つまり、彼らの人生は徹底的に楽しむことに主眼を置いています。お金を使うことが楽しいわけではないのです。
本書にはお金は使わないけれど豊かな香りがするお料理やインテリアのノウハウが綺麗な写真と共に掲載されています。
吉村さんはフランス生活20年余り。フランスのことを書いた本がたくさんあります。

だいぶ前に読んだこちらの本は文庫本で結構内容が濃かったように記憶しています。
それに比較すると今回の本はどちらかというとビジュアルが多く、内容の濃さはイマイチだったような。
というより、ここ数年にベストセラー「フランス人は10着しか服を持たない」などフランス人の国民性や人生感を語った本が数多く出版されたので、私的には新鮮さがなくなったのかもしれません。