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メットガラ ドレスをまとった美術館

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「メットガラ ドレスをまとった美術館」を見てきました。

大好きなブロガー、madameHの記事で知った映画です。

メットガラについても知りたかったし、何よりも仕掛け人のアナ・ウィンターの辣腕ぶりが見たくて、さっそく駆けつけた次第。

2015年のメットガラの裏舞台を8ヶ月に亘って追ったドキュメンタリーです。

華やかなファッションやセレブを見るのも楽しみですが、なんといってもガラの仕掛け人であるアナ・ウィンター(アメリカVogue編集長にして世界のファッション界に君臨するカリスマ)とニューヨークメトロポリタン美術館の革新的な服飾部門キュレーター、アンドリュー・ガルトンの動きが最高に面白い。
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伏線として、「ファッションはアートか否か」という一大テーマがとりあげられており、こちらのほうも興味深々ではあります。

しかし、私は「当然アートでもありうる」と思っているので、あえて映画内のやり取りは書かないことにします。見てのお楽しみということで。

メットガラはニューヨークメトロポリタン美術館の服飾部門展示会のオープニングとして毎年5月の第1月曜日に開催されるパーティ。1席25,000ドル(約280万円)もする600席がたちまち売り切れる凄まじいイベントです。

アナ・ウィンターが担当するようになってからイベントの資金が数年間で1億5千万ドル(約168億円)も集まったとか。

その数字を見るだけでもアナの豊富な人脈と破格の実力がわかります。

ここにメトロポリタン美術館服飾部門キュレーターのアンドリュー・ボルトンが加わり、彼のアイデアで「鏡の中の中国」という中国をイメージしたファッション展が企画されます。

アナ&アンドリューのいわゆる西洋人と中国側のスタッフのやり取りが大変興味深い。政治的問題、例えば毛沢東の写真や人民服を飾ることに難色を示す中国側スタッフとアンドリューのやり取り。逆になぜ古い中国の衣装ばかりを展示して今の衣装を展示しないのかと不満を露わにする中国人女性ジャーナリストとのやり取りなどを面白く見ました。

また、日本も含む東洋の文化を西洋ではステレオタイプ化(例えば日本女性=全て芸者ガール的見方)していますが、そんな視点を打破して行こうとアンナとボルトンは試行錯誤します。この辺のくだりには好感を持ちました。
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さて、アンドリュー・ボルトンという人物なのですが、出身はアナと同じイギリス。高校生の頃からメトロポリタン美術館のキュレーターになることを夢見てきたとか。

その革新的アイデアをアナも高く評価していて、2人のコンビネーションは抜群。ガラが開幕するまでの難問を2人で次々に乗り越えていきます。

あまり詳しく書くとネタバレになるので、このくらいにしますが、アンドリュー・ボルトンのファッションセンスにもかなり注目です。

いつも白やブルーの無地シャツにグレー系のズボン。贅肉がまるでなく知的な風貌。眼鏡がよく似合っています。

さて、私がここで最も書きたかったのがアナ・ウィンターについてです。
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私は彼女を高評価しています。素晴らしい編集者であり、もし過去に戻れるなら部下として働きたいくらいです。

映画「プラダを着た悪魔」でアナをモデルにした編集長が出てきて、いかにもやりたい放題の人物として描かれています。

そんなイメージやアナの傲慢さなどが時々取りざたされていますが、事実はどうであれ、彼女は素晴らしい女性でありビジネスウーマンです。

ガラのパーティの席順を決めるシーン。出席者の顔ぶれを見て何度も何度もやり直すアナ。席順で雰囲気が盛り上がりも盛り下がりもし、楽しくも不愉快になることも彼女はよく知っています。

人をよく知っていること、人への気配りがアナを成功に導いた大きな要素の一つです。

「あなたを威丈高だと言う人がいますが?」
というニュースインタビュアーに対して、

「私は仕事をスムーズに行いたいだけで、決して居丈高に振舞っているのではありません」
と答えるアナ。

その視線がなぜか怯えた子猫を思わせる。

決して自分勝手な人ではないと思います。
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※写真はすべてプログラムより実写しています。

最後のガラ当日のシーンが華やかなこと。特に歌手のリアーナが裾の長〜いドレスで階段を上る様は圧巻というほかありません。

「メットガラをまとう美術館」は東京では5月下旬まで上映しています。その他の地方は冒頭のサイトでお調べ下さい。絶対のおススメです。

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Commented by bellko1213 at 2017-05-06 11:22
小春さま、こんにちは。
メットガラのことは、こちらの朝のニュースショーなどでも取り上げられるので存在は知っていましたが、こんな映画もあるのですね。私もmadameHのブログで初めて知りました。
アナ・ウインターはニュースでも映っていましたが、アンドリュー・ボルトン(メトロポリタン美術館の主席キュレーターなのですね)については全く触れられていなかったように思います。やっぱり主に映るのは豪華で奇抜なドレスを纏ったスターばかりでした。
リアーナは、毎年テーマに沿った出で立ちで話題になっているようです。

小春さまのアナ・ウインター評で、ただ仕事が出来て部下に厳しい人ではないんだなあと、自分の中の(勝手に持っていた怖いイメージ)アナさんへの印象が良い方に変わりそうです。
YouTubeで予告編を見ましたが、確かに見てみたくなる映画ですね。
それから、もうご覧になったかもしれませんが、今年のガラのファッションスナップがVOGUEのサイトにありました。
ご参考までにURLです。
http://www.vogue.com/slideshow/met-gala-2017-red-carpet-live-celebrity-fashion

怯えた子猫、と小春さまが書いていらしたアナ・ウインター、見てみたくなりました。
Commented by koharu50 at 2017-05-06 12:26
ろばこさん
コメントありがとうございます。

アンドリュー・ボルトンについてひとつ書き忘れていたことがありました。
ガラの最初の挨拶でメットの館長が「このイベントの最大の功労者はアンドリュー・ボルトンです」と褒め称えます。
こうした気配りで彼の苦労は報われたと思うのですよ。
日本ですとこうしたスピーチがなくても当たり前で、時々参加者や主催者の鈍感さに呆れることがあります。

アナに関しては、仕事のできる人は悪評もあり、高評価もある。みんなに好かれるような人はリーダーとしてどうかなとおもうことがあります。
アナは完全に前者です。
私の好みだとおもいますが、こういう人になれないのでこういう人の側で働きたいんです。^_^
by koharu50 | 2017-05-06 08:00 | 映画 | Comments(2)

自分の好きなファッションでいつもニコニコしていたい。おしゃれの法則?それも大切にするけれど、冒険も大好き。諦めちゃダメ、おしゃれはいくつになっても私を前向きにしてくれる。


by 小春